アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは
かゆみを伴う湿疹病変が慢性的に繰り返す皮膚疾患です。遺伝的な要因(バリア機能の低下、アレルギー性の病気になりやすい体質)、環境的な要因(冬の乾燥、夏の暑さ、花粉、食物などアレルギーを起こす物質、温熱、汗、ストレス)が合わさって発症すると考えられています。かゆいためひっかくと皮膚のバリア機能が低下し、炎症が起こり、さらにひっかくという悪循環が起こっていることが知られており、この悪循環を断ち切ることが大切です。
広島市安佐南区でアトピー性皮膚炎にお悩みの方は、ましの皮ふ科クリニックにお気軽にご相談ください。
アトピー性皮膚炎の治療
薬物療法
①抗炎症外用薬・・・部位、症状に合わせて使い分けます。かゆいときだけ塗るのではなく、肌がつるつるになるまで外用を継続することが必要です。頻繁に繰り返す方は、プロアクティブ療法(症状がなくても週に2回程度外用)を行うと、症状がない状態を維持できるため望ましいです。
ステロイド外用薬、プロトピック(タクロリムス)軟膏 コレクチム(デルゴシチニブ)軟膏 モイゼルト(ジファミラスト)軟膏
② 内服薬
抗アレルギー剤、シクロスポリン、JAK阻害薬
(シクロスポリン、JAK阻害薬処方は当院では行っておらず、希望の方は紹介になります。難治の方が対象になります。)
③注射(難治の方対象)
デュピクセント(デュピルマブ)、ミチーガ(ネモリズマブ)、アドトラーザ(トラロキヌマブ)、イブグリース(レブリキズマブ)
(デュピクセントは効果が高く、副作用も少ないですが、高価です。ミチーガ、アドトラーザ、イブグリース治療は当院では行っておらず、紹介になります。)
スキンケア
入浴は38~40℃のお湯で、低刺激の洗浄剤を良く泡立てて、こすらず、なでるように洗います。冬の乾燥が強い時期は、部位によっては、最低限に使用します。拭く時も、押さえ拭きをします。夏は汗をかいたら早く洗い流します。
その後、保湿剤を塗ります。病院で処方できるものとしては、ヘパリン類似物質含有製剤、ワセリン、尿素製剤がありますが、市販のものでも、低刺激で十分に保湿できるものであれば、問題ありません。
悪化因子の除去
⑴ 刺激を避ける
汗、髪の毛、ちくちくする衣服で悪化することがあるので、汗は早めに拭くか、洗う、髪の毛は束ねる、刺激のない素材の服を選ぶようにしてください。シャンプー、リンス、石鹸のすすぎ残しや、過度な使用を避けてください。
⑵ アレルギーのあるものを避ける
ダニ、ホコリ、花粉、ペット等にアレルギーがあり、悪化する方は、対策をしてください。
⑶ ストレス、睡眠不足で悪化する方も多いので、気を付けてください
その他の治療
他の治療として、紫外線治療も効果があります。当院ではナローバンドUVB照射を行っています。効果が出る方が多いですが、1,2週に1回の通院が望ましくなります。